建物の5棟に1棟が未登記|法務省調査で判明した800万棟の現実と今すぐ確認すべきこと
皆様こんにちは!
福岡県の土地家屋調査士 里です。
突然ですが、あなたのお家、ちゃんと登記されていますか?
法務省が未登記建物を調査したという記事がYahoo!ニュースに出ていました。

全国約3,610万棟を調査した結果、800万棟が未登記だったというものでした。
全ての自治体の回答結果ではないため、回答のなかった自治体を含めると、1,000万棟を超えると推計されています。
そんな未登記建物のことを知るため、ぜひ最後まで読んでみてください。
1.法務省調査が明らかにした「800万棟未登記」の現実
この調査は2024年10月〜2025年2月にかけて、
全国の市区町村を対象に法務省が実施したものです。
760自治体から報告が集まり、固定資産税台帳と登記情報を
照合した結果が「約800万棟が未登記」という数字です。
さらに深刻なのは、調査に答えた自治体の7割超・769自治体が
「未登記建物の存在が行政に支障をきたしている」と回答していることです。
未登記になりやすいのは、こんなケースです。
| 未登記になりやすい主なケース | |
|---|---|
| 新築後に登記していない | ローン不要で現金購入したため手続きをしなかった |
| 増築・リフォーム後 | 車庫・物置・2階増築部分を登記しないまま放置 |
| 相続後の放置 | 親が亡くなり、そのまま何も手続きしていない |
| 古い農家・倉庫 | 登記が必要だと知らなかった |
特に地方では大都市圏に比べて未登記の割合が高い傾向があります。
福岡県内でも、古い農家住宅や離れ・物置が
未登記のまま何十年も経過しているケースは日常茶飯事です。
2.未登記のまま放置すると、何が起きるのか
①売却・相続・住宅ローンが思うように進まない
不動産を売りたい、住み替えのために住宅ローンを借りたい、
相続手続きを進めたい、というとき、
未登記の建物があると手続きが止まってしまいます。
「売買の直前になって慌てて登記の相談に来られる」
というケースは、当事務所でも毎年複数件あります。
できれば余裕を持って、早めに解消しておくことをおすすめします。
②所有者が誰かわからなくなる──行政職員時代の実体験
私はかつて、建築行政の職員として長年、
確認申請の審査・指導を担当していました。
その中で、こんな場面を何度も経験しました。
道路の拡幅工事や公共工事で、建物の移転補償交渉が必要になるとき、
「この建物は誰のものか」を確認しなければなりません。
登記があれば、法務局のデータですぐに所有者がわかります。
ところが未登記の建物では、固定資産税台帳が唯一の手がかりになります。
しかしその台帳が、何十年も更新されていないことがほとんど。
結果として、「この建物、一体誰のもの?」という状態になり、
行政の対応が大幅に遅れた事例を、現場でいくつも見てきました。
今回の法務省調査でも「災害復旧時の所有者確認に支障がある」と
多くの自治体が答えています。行政の現場を知る者として、
「あの苦労が全国規模で起きているのか」と、改めて実感しました。
③「自分のものだ」と主張できなくなる場合がある
不動産は「登記した者が権利者である」という原則があります(民法177条)。
未登記のまま放置していると、たとえ自分が建てた建物であっても、
第三者との間でトラブルが生じたときに不利な立場に置かれることがあります。
─────────────────────────────
3.「固定資産税を払っているから大丈夫」という誤解
「毎年固定資産税の通知が来ているから、登録されているはず」
こう思っている方が非常に多いのですが、これは要注意です。
固定資産税は市区町村の「課税台帳」に基づいて課税されます。
一方、法務局の「不動産登記」は、まったく別の制度です。
| 固定資産税と不動産登記は「別制度」 | ||
|---|---|---|
| 固定資産税 | 不動産登記 | |
| 管理機関 | 市区町村(税務課) | 法務局 |
| 目的 | 課税・徴税 | 権利の公示 |
| 手続き | 市区町村が把握したもの | 所有者が申請するもの |
つまり、固定資産税を払っていても、
法務局に登記がなければ「未登記建物」のままです。
注意!課税漏れは5年遡って追徴課税になる
増築した車庫・物置などを市区町村が把握していないケースがあります。
この場合、後日発覚すると、最大5年分を遡って追徴課税されることがあります。
「知らなかった」では済まないのが税の世界です。
逆に、すでに取り壊した建物が課税台帳に残ったままのケースもあります。
この場合は「滅失登記」または「家屋取壊し申出」で解消できます。
心当たりのある方は、早めに確認されることをおすすめします。
4.未登記を解消するには
建物の「表題登記」(初めての登記)は、土地家屋調査士の業務です。
大まかな流れは以下のとおりです。
現地調査及び書類調査を基に、必要な登記を判断し図面作成の元データとなる計測を行います。
調査結果を基に、図面作成を行います。
確認済証・固定資産税評価証明書など、登記に必要となる書類を収集していきます。
必要資料と申請書をまとめ、管轄の法務局に申請します。
登記完了後は登記完了証が発行されます。引き続き所有権保存登記を行いましょう。
費用・必要書類・手続きの詳細については、こちらの記事をご覧ください。


まとめ
今回の法務省調査は、「未登記は他人事ではない」ことを
はっきりと示したニュースです。
この記事のポイント整理
- 全国で約800万棟が未登記と判明(全体の2割超)
- 未登記のままだと、売却・相続・担保設定が困難になる
- 「固定資産税を払っている=登記されている」は誤解
- 課税漏れが発覚すると最大5年分を遡って追徴課税
- 未登記の解消は土地家屋調査士へ
「実家を相続したら未登記だった」
「増築部分を登記していなかった」
「そもそも登記されているかわからない」
こういったご相談を、毎日お受けしています。
まずはお気軽にお問い合わせください。
福岡県内の方 まずはご相談ください!
建物登記に関するご相談を無料で受け付けています。
090-7274-5272
対応時間 平日9:00~18:00




